ウォシュレット(一般名:温水洗浄便座)は日本のおもてなし技術の代表として話題になることが多いため日本生まれと誤解されがちですが、もともとはアメリカで開発されたものでした。もとは医療・福祉のために開発されたもの。日本には1964年に東洋陶器(現在のTOTO)がアメリカンビデ社の温水洗浄便座を輸入販売しはじめたのが始まりです。
国産初の温水洗浄便座は、1967年、伊那製陶によるものでした。その後は、TOTOをはじめ国内他社からも発売されました。とはいえ、まだまだ国内全体で言えば洋式便器ですらなく、和式便器が主流だった時代です。
その後、少しづつ洋式便器の普及も高まり、温水洗浄便座も知られるようになってきました。温水洗浄便座の代名詞であるウォシュレットは、TOTOの商品名で、1980年に発売開始となりました。初代ウォシュレット「ウォシュレットG」は新しいトイレ習慣を創造したとして、一般社団法人 日本機械学会により「機械遺産」に認定されています。
ウォシュレットは、1982年より始まった衝撃的なテレビCMでさらに知名度を高めました。トイレの宣伝というだけで、広告掲載を断られていたという経緯もあるほど、シモの話題であるトイレは宣伝が難しい商品でした。
そんな中、天才コピーライター仲畑貴志による「お尻だって洗ってほしい」のキャッチコピーと、当時はまだ売り出し中の歌手・役者でのちにカルト的な人気を得ることになる戸川純の出演による衝撃的なCMは一気に世の中の話題をさらいました。あえて、食事の時間に流したというこのCMは最初こそ、クレーム電話の嵐だったそうですが、しばらくするとクレームもやみ、誰もが知っているCMとなりました。
その後は、普及率も右肩のぼりで増え続け、温水洗浄便座は今や日本全国の6割の家庭にまで普及しているそうです。ウォシュレットがないと用が足せない…というような人まで生まれているぐらい、無くてはならないものになりました。
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